腹痛
腹痛の解説
お腹の一部や全体が刺すように痛む、鈍く痛む、重い感じがする、お腹が締め付けられる・違和感があるといった症状をいいます。腹痛は日常的によく見られる症状ですが、症状が続く場合、繰り返す場合、痛みが強い場合には病気の可能性がありますので、放置せず早めに専門外来を受診いただくことが大切です。
腹痛は
急に起こる「急性腹痛」
数週間以上続く「慢性腹痛」
に分けられます。
急性腹痛の原因としては
- 急性胃腸炎
- 虫垂炎
- 胆石・胆嚢炎
- 尿路結石
- 憩室炎
などがあります。
慢性的な腹痛では
- 過敏性腸症候群
- 便秘
- 胃炎
- 逆流性食道炎
- 潰瘍性大腸炎
などが原因となることがあります。
腹痛の原因
腹痛は炎症や腫瘍など器質的疾患で生じる場合や、疲労・寝不足、精神的ストレナスなど機能的疾患で生じる場合があります。腹痛の原因によって治療方法は異なりますので、専門外来で正しい診断をうける必要があります。
腹痛の場所から考えられる病気
腹痛は痛む場所によって原因がある程度推測できます。
みぞおちの痛み
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 逆流性食道炎
- 膵炎
右上腹部
- 胆石症
- 胆嚢炎
- 十二指腸潰瘍
右下腹部
- 虫垂炎
- 大腸憩室炎
下腹部
- 便秘
- 過敏性腸症候群
- 大腸炎
- 生理
左腹部痛
- 虚血性腸炎
- 憩室炎
腹痛の原因はとても多く、
問診・診察・血液検査・腹部エコー・内視鏡検査などを組み合わせて診断します。
腹痛と関係のある病気
逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、ヘリコバクター・ピロリ菌感染症、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、アニサキス症、機能性ディスペプシア、感染性腸炎、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室炎、虚血性大腸炎、過敏性腸症候群、便秘症、腸閉塞、虫垂炎、胆石症、総胆管結石、急性胆管炎、急性膵炎、慢性膵炎 などの病気が腹痛と関係します。
痛みが強い場合、歩くとお腹に響く感じがする、痛みを感じる部分を手で押さえて離すと痛みが増強する場合、嘔吐や吐血・下血を伴う場合、食事ができない場合、発熱を伴う場合、頑固な便秘を伴う場合、下痢と便秘を繰り返す場合などは早急な診察と治療が必要です。
腹痛診察の詳細
症状をうかがった後、腹部の聴診、視診、触診などを行います。症状の出方や頻度、強度によって、必要に応じて大腸カメラ(大腸内視鏡検査)、胃カメラ(上部内視鏡検査)や腹部エコー(腹部超音波検査)を行います。大腸カメラで治療が必要なポリープ(腺腫など)を検出した場合には、患者様のご負担の軽減のために可能な限り同日に切除いたします。大腸ポリープの切除は将来の大腸がんの予防に有用です。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、大腸腫瘍の詳細な検査が必要な場合には、細胞検査(生検、病理組織学的検査)を行います。強い炎症が疑われる場合には迅速な血液検査を行います。消化器の専門医・指導医が胃痛診察に必要な検査を行って、正しい診断に基づいた治療や処方を行います。
腹痛で困ったら
腹痛には早急な治療が必要な病気が原因であることが少なくありません。腹痛で困ったら専門性を活かした当院の消化器専門外来でお気軽にご相談ください。早期の正確な診断と治療、症状の改善に努めております。大腸カメラが必要な場合には、鎮静剤による無痛大腸カメラを行いますので、患者様に可能な限り楽に不安なく検査をお受けいただけます。
すぐに医療機関を受診すべき腹痛
次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 我慢できない強い腹痛
- 発熱を伴う腹痛
- 血便・黒い便
- 嘔吐が続く
- お腹が張って苦しい
- 冷や汗を伴う腹痛
- 数日以上続く腹痛
これらは
- 腸閉塞
- 虫垂炎
- 胆嚢炎
- 虚血性腸炎
- 消化管出血
などの可能性があります。
参考文献
WSES 2020 appendicitis guidelines (PMC)
CT/US diagnostic accuracy meta-analysis
ACG H. pylori treatment guideline 2024
ACG/CAG Dyspepsia guideline 2017
この記事の執筆者
理事長・院長 永田 浩一
略歴
1996年 国立群馬大学医学部医学科卒業
1996年-2001年 東京女子医科大学 附属第二病院(現 足立医療センター) 外科
2001年-2007年 昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター
2007年-2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科
2011年-2014年 亀田メディカルセンター 消化器科・放射線科 部長
2014年-2015年 NTT東日本伊豆病院 健診センター 特任部長
2015年-2019年 国立がん研究センター 検診研究部 検診評価研究室長
2018年4月-現在 国立がん研究センター 中央病院 検診センター (併任)
2019年4月-現在 福島県立医科福島県立医科大学 消化器内科学講座 特任教授(併任)
資格
消化器内視鏡認定医・専門医・指導医
消化器病専門医・指導医
消化器がん検診総合認定医・消化器がん検診指導医
外科認定医・認定登録医
胃腸科専門医
難病指定医
便通マネージメントドクター
アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員
アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員
医学博士(昭和大学):学位論文
Polyethylene glycol solution (PEG) plus contrast-medium vs. PEG alone preparation for CT colonography and conventional colonoscopy in preoperative colorectal cancer staging. Int J Colorectal Dis 2007; 22: 69-76.
学会役員やジャーナルの役職など
Honorary Editors-In-Chief (International Journal of Radiology), Editorial Board Member (World Journal of Gastroenterology, World Journal of Radiology, World Journal of Gastrointestinal Endoscopyなど7英文誌)
日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
消化管先進画像診断研究会(GAIA) 代表世話人
元 日本消化器がん検診学会 代議員
日本消化器がん検診学会 大腸CT検査技師認定委員会 副委員長
日本消化器がん検診学会 教育・研修委員会委員
日本消化器がん検診学会 編集委員会 用語集改訂小委員会委員
日本大腸検査学会 評議員
