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大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)

大腸カメラ検査とは

便潜血検査が陽性になった、おなかが痛い、おなかが張る、下痢や便秘を繰り返す、血便や下血がある、おなかがグルグルする、便が細くなった、便が残っている気がする」といった直接目で見てわからない、お腹を触って分からない症状がある場合に、お尻から大腸カメラ(大腸内視鏡スコープ)といわれる身体の中を診る装置を入れさせていただき、大腸(結腸・直腸)、小腸の一部(回盲弁、終末回腸)や肛門など、患者様が感じる辛さの原因となる所見や病気がないかを診断する検査です 。

診察後、大腸に病気が疑われる場合には大腸カメラに保険が適用されます。
ただ、何も症状がないけれど心配だからという理由で、人間ドックの大腸カメラを受けたいという場合には、保険が使えずに自費診療でお願いすることになります。

大腸がんは日本人が最も多くかかる(罹患する)がんであり、肺がんの次に死亡者数が多いがんです。2019年のがん登録によれば、大腸がんの罹患患者数は女性が83,095人、男性が116,004人、男女合計すると年間で約20万もの方が大腸がんになっています。大腸癌にかかる人数は40代から増え始め、加齢と共に増えていきます。
大腸がん死亡抑制に対する大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)の有用性は、2012年にアメリカのNational Polyp Studyの長期報告によって証明されています*。大腸カメラは、症状のない大腸がんを発見し早期の段階で治療を開始できるだけでなく、前がん病変である腺腫(adenoma)を発見し切除することができます。このため、大腸カメラは大腸がんの発生や死亡を直接的に抑制できる効果があるのです。しかも、大腸カメラは、大腸がんの検査法として最も感度と特異度が高い検査法です。

*Zauber AG, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. N Engl J Med 2012;366:687-96.

大腸カメラ検査を受けるべき方

大腸の症状として「おなかが痛い、おなかが張る、下痢や便秘を繰り返す、血便や下血がある、おなかがグルグルする、便が細くなった、便が残っている気がする」などの症状があります。
そのような大腸に関連する症状がある場合は検査をお勧めいたします。

大腸カメラをおすすめしたい方は、症状のある方に加えて検診の便潜血検査が陽性となった方やお身内に大腸がんになったことがある方です。
便潜血検査が陽性となったということは、大腸のどこからか出血している可能性があり、これは大腸がんや大腸ポリープがあるリスクが高いということを意味します。
痔があるからと自分で決めつけてしまう方がいらっしゃいますが、この判断は大変危険です。
専門医を受診し大腸カメラを受ける必要性について必ずご相談ください。
大腸がんには遺伝的要因もありますので、身内に大腸がんに罹った方がいる場合には、大腸ポリープができやすくなる40歳以降に大腸カメラをお受けになることをおすすめします。

日本では、昔に比べて大腸がんにかかる方、大腸ポリープを持っている方が増えました。
国立がん研究センターがん情報サービスによる2018年の全国がん登録罹患(りかん)データによると、日本人全体で最もかかりやすい「がん」は「大腸がん」です。
さらに、2020年の人口動態統計がん死亡データによると、日本人全体で死亡原因の第1位は肺がん、次いで第2位が大腸がんです。
女性では、がん死亡の原因の第1位が大腸がんです。男性では、肺がん、胃がんに次いで第3位となっています。
血便があっても痔があるからと自分で決めつけず、そして他人事とするのではなく自分事として考えましょう。

永田内科・消化器科医院では、血便という消化器疾患においても最も迅速に精密検査が必要な症状を認めた患者さまに対して優先的に診療・大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を行う『血便迅速外来』を実施しております。

大腸カメラ検査って痛いの?

お尻から大腸の一番奥の盲腸や小腸の終わりの部分(終末回腸)まで大腸カメラを入れます。
痛みが出ないように、大腸をあたかもアコーディオンを縮めるような感じに短縮して大腸カメラを入れていきます。
これは腸管に負担をかけない軸保持短縮法という熟練したカメラの挿入技術で、この挿入法を用いることで痛みを最小限にし、挿入時間を短時間にすることが可能となります。
ですから、大腸カメラで強い痛みを感じることはあまりありませんのでどうぞご安心ください。

ただ、おなかの手術を受けたことのある方やおなかのけがをしたことのある方は、おなかの中にゆ着(腸と他の臓器やおなかの内側の壁がくっついてしまうこと)がある場合があります。
ゆ着があると、大腸をカメラで手繰り寄せて挿入できなくなります。
この場合には、大腸を愛護的に丁寧に伸ばして入れる必要があります。
腸が伸ばされると痛みとして感じますので、豊富な経験をもとに伸ばされる腸を最小限に丁寧に安全に挿入する方法をとります。

また、大腸を観察する際に病変の見逃しを起こさないように大腸を十分に膨らませて観察を行います。
この大腸が膨らんだ状態が腹満感(おなかがはる)として不快に感じる場合もあります。
一般的には空気で大腸を膨らませることが多いのですが、空気を使用すると検査後もお腹の張りが長時間続いてしまいます。
当院では腸管からの吸収が100倍以上早い炭酸ガスを送る装置を導入していますので、お腹の張りは検査後速やかに消失します。
なお、吸収された炭酸ガスは息から自然に排出され健康には影響がありません。

このように当院では大腸カメラをなるべく楽に受けていただけるよう取り組んでおりますのでどうぞご安心ください。

鎮静剤を使用した大腸カメラ検査(無痛大腸カメラ)

当院では、経験豊富な専門医が軸保持短縮法という痛みの少ない大腸カメラを実施いたしますが、「漠然と大腸カメラが怖い」「理屈抜きで不安!」あるいは「おなかの手術をしたことがあるので癒着が心配」という方には、安心してリラックスして検査をお受けいただけるよう無痛大腸カメラをおすすめしています。
無痛大腸カメラは、検査が初めてで緊張している方、不安を感じている方や、過去に大腸内視鏡検査でつらい思いをされた方にも安心してお受けいただけます。

無痛大腸カメラは、安全を最も重視したうえで、年齢や体格、併存疾患などを十分考慮して適切な鎮静剤を選択し、安全で安心な内視鏡検査を行っています。
複数の鎮静剤を用意しており、患者様の全身状態やご要望に適合した鎮静剤を厳格に選択し使用しています。

無痛大腸カメラに限らず当院の検査は、熟練した高い技術を有した医師と専門性の高い経験豊かな看護師がチームを組んで対応いたします。
検査中は常に患者様の血中酸素飽和度、脈拍、血圧、顔色、呼吸状態などを随時モニタリングして厳重な全身管理を行っています。
必要に応じて迅速に酸素を投与する、鎮静剤の作用を弱める処置をするなどの体制を取っているため、安心して検査をお受けいただけます。
検査後には専用のリカバリーチェアでお休みいただきます。

ご注意いただく点として、無痛大腸カメラをお受けになった日は車・バイク・自転車などの運転はできません。
ご家族やお知り合いの方の送迎、代行サービスまたはタクシーなどの公共交通機関をご利用ください。

大腸カメラ検査と下剤の関係

質の高い大腸カメラを行うためには、大腸の中を十分に洗浄する必要があります。
けれども、検査の前に多量の下剤(腸管洗浄剤)を飲むのが苦手という方も少なくありません。
下剤特有の味が苦手、体が冷えるので冷たい下剤をたくさん飲むのが苦手などいろいろな理由があります。
そこで当院では、患者様が自身の好みで下剤を選択できるように下剤を3種類ご用意しています(表)。
持病の有無などにより医学的に制限があることもありますが、安全に問題のない範囲で患者様のお好みによってお選びいただけます。

当院の大腸カメラ検査の流れ

①予約・事前診察

大腸カメラ検査は事前に24時間ご予約可能なLINE予約または、WEB予約にてご予約をお取りすることが可能です。
LINE予約でしたら、スマホから簡単に最短15秒で予約することが可能です。

大腸カメラ検査をご希望される方は事前に必ず診察をお受けいただきます。

もちろん、外来診察の際に予約をお取りすることも可能です。
症状や腹部所見から、下剤の内服や大腸カメラが安全に行えるか診察する必要がありますのでご了承ください。

②検査前日

線維質の少ない食事をとってもらいます。
検査食をご選択いただければ翌日の下剤による前処置がスムーズになります。
就寝前に下剤を服用します。

③検査当日

午前の検査の方は、朝食抜きになります。
午後の検査の方は、朝、昼食抜きになります。

大腸カメラ開始時間の約4時間前から下剤(腸管洗浄液)の内服の開始をします。
便がきれいな状態になって来院してもらいます。
ただし、「便がきれいにならない」、「下剤が指定された量を飲めない」、「気分不快などの症状がある」などの困ったことがある方は、医院までご連絡下さい。

④来院後

体温、血圧、酸素飽和度を測定し、検査着に着替え、鎮静剤使用のための準備をします。

⑤検査

検査時 鎮静剤等を使用して検査開始となります。
検査は15分~20分ぐらいで終わります。

⑥検査後

使用した鎮静剤の種類や量、体調やご年齢などを総合的に判断してお休みいただく時間が決まります。
しばらくの間、別室のリカバリソファで休んで頂きます。


お休みいただいたあと、体調の変化がなく血圧、酸素飽和度などに問題がなければお着替えしていただきます。

⑦結果説明

専門医が大腸カメラの結果をご説明いたします。
説明に際しては、できるだけわかりやすく結果をお伝えすることを心がけており、カメラ画像をご覧いただきながら丁寧にご説明します。
気になることがありましたら、なんでもご質問ください。

検査結果は口頭でのご説明だけでなく、患者様へのご報告レポートを作成しその場でお渡ししております。
なお、生検やポリープ切除など組織を採取した場合、病理組織学的診断結果は後日改めて外来診察にてご説明いたします。

当院の大腸カメラ検査のこだわり

治療が必要な大腸ポリープが見つかった場合、当院ではなるべくその場で内視鏡治療を行います
検査と治療を1回で済ませることで、体の負担や通院回数の負担を軽減できるからです。
ただし、抗凝固剤(血液をサラサラにするお薬)を服用されている場合、ポリープの個数が多い場合、ポリープの大きさが大きい場合などは、複数回の検査が必要になることもあります。

当院では、最新の内視鏡スコープを導入しており、通常の白色光観察に加え、拡大観察とNBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光)を随時使用しながら内視鏡検査を行っています。
NBIは、粘膜構造や血管走行をより明瞭にし、高精度のリアルタイム診断を可能にした新しい内視鏡技術です。
また、病変の特徴を色調として捉えることができるので、微小がん病巣の早期発見も可能となります。

拡大内視鏡を使用することにより、約80-100倍の拡大画像が得られるため、大腸のポリープや腫瘍の表面をより詳しく観察できます。このように丁寧に観察することで、病変ががん化するリスクについても正確に評価が可能となります。
NBIと拡大内視鏡を組み合わせたNBI拡大観察することで、大腸カメラの診断能を最大限に高めます。
微小がん病変を小さいうちに検出するだけでなく、リアルタイムで良性と悪性の鑑別診断を行い、さらに病変の広がり(病変の範囲)や腫瘍の深さ(深達度診断)を実施します。

女性医師による大腸カメラ検査

令和5年10月より、女性医師の下嶋 理恵子先生(消化器内視鏡専門医、東京女子医科大学附属足立医療センター 検査科・光学診療部 非常勤講師・助教)による大腸カメラ検査・胃カメラ検査がはじまりました。
担当は火曜日(月に2回程度)となります。

大腸カメラは女性患者様を優先させていただきますことご理解いただけますと幸いです。

精度の高い大腸カメラ検査

精度の高い大腸カメラですが、大腸カメラでも病変が見落とされることがあります。病変を見逃さずにできるだけ多くの病変を見つけることが大切です。

大腸カメラにおける病変発見の指標としてADR(adenoma detection rate)という指標があります。ADRは内視鏡医によって大きな差があると報告されています*。この研究ではADRが高い医師のグループではADRが低い医師のグループに比べて、病変の見逃しが48%も少ないと報告されています。ADRが1%向上すると、大腸がんの発生は3%減少し、大腸がんによる死亡は5%減少することも明らかになっています。精度の高い大腸カメラが実施されるためにはADRが30以上となるのが望ましいとされます**。

当院では2023年1月から8月までの8か月間で大腸カメラが806件(1月平均100.8件)実施されました。このうち前がん病変である腺腫(adenoma)を発見し切除したのは315件(1月平均39.4件)です。ADRは39.1%となり望ましいとされるADR30%以上を余裕でクリアしています。

大腸はヒダや屈曲が多い管状の臓器であるため、大腸カメラで見えない死角が発生しやすいのです。ヒダを1枚1枚丁寧にめくりながら、屈曲の強い部分ではカメラを前後に移動して観察するなどの高い技術が必要です。例えばお腹の右側にある上行結腸はヒダが特に深く死角が生じやすい部位です。ヒダの裏に隠れている病変を見逃さずに見つけるためには、ヒダをめくるような丁寧なカメラ操作はもちろん、カメラから送気するガス量の調整、カメラを反転してヒダの裏から観察することが必要です(図参照)。

 ヒダの裏に隠れていた早期大腸がん(当院で治療症例。患者様には画像使用の許可・同意を頂いております)

 上行結腸のヒダに隠れた病変が少しだけ見えます(矢印)。丁寧に観察しないと見落とす病変です。

 カメラを前後に動かすだけでは病変が良く見えません。そこで内視鏡スコープを大腸の中で反転します。これによりヒダの裏を観察することができます。ヒダの裏から観察すると12ミリのポリープの全体像が観察できました。

 NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光)観察すると病変の粘膜構造が明瞭に観察することができます。隆起している病変の表面に陥凹している部分を認め、早期がんが疑われます。

 内視鏡スコープから専用の注射針を出し、病変の下の粘膜下層に生理食塩水を注入します。病変が下から押し上げられ病変を浮かび上がることを確認します。これにより病変が安全に確実に取れるかどうかを確認できます。

 浮かび上がった病変にスネアをかけて病変を一括で切除します。

 病変をきれいに切除することができました。このあと、内視鏡用のクリップで傷をふさいで治療が終了します。病理組織診断結果で早期がんでしたがきれいに取り切れたことが確認できました。(0-Is+IIc, tub 1, pT1, Ly0, V0, HM0, VM0)

当院では、国立がん研究センター、亀田総合病院、福島県立医科大学などで技術を磨いた専門医・指導医が大腸カメラを実施しておりますので、安心して大腸カメラをお受けください。

*Corley DA, et al. Adenoma detection rate and risk of colorectal cancer and death. N Engl J Med 2014;370:1298-306.
**Rex DK, et al. Quality indicators for colonoscopy. Gastrointest Endosc. 2015;81:31-53.

大腸カメラ検査を受ける際のポイント

大腸カメラ検査の技術は日々進歩しています。
ですから大腸カメラ検査を受けるうえでも選択肢がいろいろあります。
そのため「こうあるべき」って決めつけるものでもなく、患者様のご希望に沿った楽な検査をするためにいくらでも工夫できます。

また、いくら1割負担・3割負担で保険適用ができると言っても、お金をいただく検査になるため、必要な検査・治療しかいたしません。
必要ではない余分な検査や処置一切しないことも大切だと考えております。

不要な検査をすることなく、医療上必要な検査と処置を実施しておりますのでご安心ください。

大腸カメラ検査の費用

  1割負担 2割負担 3割負担
大腸内視鏡(観察のみ) 約2,000円 約4,000円 約6,000円
大腸内視鏡検査+病理組織検査 約3,500~5,500円 約7,000~11,000円 約10,500~16,500円
大腸内視鏡検査+ポリープ日帰り手術(1個) 約9,500円 約19,000円 約28,500円
大腸内視鏡検査+ポリープ日帰り手術(2個 / 3個) 約10,000 / 11,000円 約20,000 / 22,000円 約30,000 / 34,000円
  • 上記の金額はあくまでも目安となる金額です。
  • 初診あるいは再診、処方薬、病理検査や治療部位の違い、鎮静剤など使用する薬剤などにより異なります。
  • お支払いにクレジットカード・交通系電子マネーがご利用いただけます。
    ご利用いただけるクレジットカード
    VISA
    JCB
    MasterCard
    AMEX(American Express、アメリカン・エキスプレス)
    Diners(ダイナースクラブ)
    Discover

  交通系電子マネーは、TOICA、Kitaca、Suica、PASMO、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけん がご利用いただけます。

  

おなかや便に少しでも違和感があったら

大腸カメラは楽に安全に受けられる検査です。
大腸がんは予防できる病気ですので、40歳以上の方、便潜血が陽性となった方、便潜血検査が陽性となった、血便が出る、便秘や下痢を繰り返す、腹痛がある、便が細くなったなどおなかや便に少しでも違和感・体調の変化があった場合には、お早めに大腸カメラによる精密検査をお受け下さい。
当院では必ず専門医が診察・検査を担当しています。
患者様の不安や負担を軽減するため、なるべく患者様のご希望に沿った大腸カメラを音楽の流れる検査室で行っています。

当院では地元の袋井市はもちろん、静岡県西部地方の掛川市、菊川市、磐田市、森町、浜松市、御前崎市などから、多くの患者様に診察や大腸カメラの受診目的でご来院して頂いております。ご遠方の方でも安心して大腸カメラを受けて頂けるために、検査の開始時間を午前・午後の幅広い時間帯で柔軟に対応しています。大腸カメラをご希望の方はお気軽にご相談下さい。

大腸カメラ検査 Q&A

大腸カメラを受けるにあたりよくいただくご質問をまとめました。

Q. 便潜血陽性になったら放置してもいいですか?
便潜血陽性であったということは、大腸から出血している病気がある可能性があるということです。大腸がんは日本人が最も多くかかる(罹患する)がんであり、肺がんの次に死亡者数が多いがんです。2019年のがん登録によれば、大腸がんの罹患患者数は女性が83,095人、男性が116,004人、男女合計すると年間で約20万もの方が大腸がんになっています。大腸癌にかかる人数は40代から増え始め、加齢と共に増えていきます。大腸がんの前がん病変である大腸ポリープ(腺腫)を早期に発見し、早期に内視鏡で切除することにより大腸がんを予防することが可能です。便潜血陽性になったら、なるべく早いうちに大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)をお受けください。

Q. 便潜血検査で1回だけ陽性になるのはなぜ?
A. 大腸がんの前がん病変である大腸ポリープ(腺腫)や早期の大腸がんでは病変からの出血が少なく、便に多くの血がついていないことがあります。そのため、便潜血検査で2回採取しても1回だけ陽性となることがあります。便潜血検査で1回だけ陽性になっても、大腸から出血している病気がある可能性があります。便潜血が1回だけ陽性であっても、なるべく早いうちに大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)をお受けください。

Q. 便潜血検査で2回陽性になったらどうなりますか?
A. 便潜血検査で2回陽性であったということは、大腸に病気がある可能性があるということで、しかもその病変からのの出血量が多い可能性があります。精密検査である大腸カメラを翌年に持ち越すことなく早急に大腸カメラをお受けください。

Q. 痔のせいで便潜血検査が陽性になることがありませんか?
A. もちろん、痔(内痔核、外痔核)や裂肛(切れ痔)によって便潜血陽性になることはあります。しかし、痔と決めつけて大腸がんの発見が遅れる方が少なくありません。痔があるけれども、さらに前がん病変である腸ポリープ(腺腫)があることも多いのです。便潜血が陽性になったら、大腸がんに対してリスクが高いと言えますので、なるべく早いうちに大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)をお受けください。

Q. 便潜血陽性になったら、なぜ大腸カメラを受けるべきなのですか?
A. 大腸がん死亡抑制に対する大腸カメラ(全大腸内視鏡検査)の有用性は、2012年にアメリカのNational Polyp Studyの長期報告によって証明されています。大腸カメラは、症状のない大腸がんを発見し早期の段階で治療を開始できるだけでなく、前がん病変である腺腫(adenoma)を発見し切除することができます。このため、大腸カメラは大腸がんの発生や死亡を直接的に抑制できる効果があるのです。しかも、大腸カメラは、大腸がんの検査法として最も感度と特異度が高い検査法です。

Q. どんなときに大腸カメラを受けたほうがいいですか?
A. 大腸カメラは、大腸ポリープや大腸がんを早期に見つけることができる精度の高い検査法です。早期に病変を見つけることができれば、その場で内視鏡治療することが可能です。大腸癌になる前の大腸ポリープ(腺腫など)を治療することは、将来の大腸がん予防になります。便潜血検査が陽性の場合やお腹の症状がある場合には、大腸カメラをお受けください。

Q. 大腸カメラは健康保険が適用されますか?
A. 無症状でも検診で便潜血検査が陽性となったり、腹部症状(下痢や便秘を繰り返す・便が細い・便に血がつくなどの便通異常、腹痛、腹部違和感など)を認めたりした場合など医師が大腸の精密検査が必要と判断した場合には原則として健康保険が適用されます。健康保険が適用されると大腸カメラは検査費用の1~3割が自己負担となります。

Q. 体調が悪いのですが、大腸カメラを受けることができますか?
A. 事前に外来で診察をさせていただきます。診察の際に不安なことなどお気軽にご相談ください。

Q. 高齢ですが、大腸カメラを受けることができますか?
A.  高齢者でも愛護的な内視鏡操作により検査の実施は可能です。ただし、検査の可否は事前に外来を受診いただき、全身状態を診察させていただきます。持病、ほかの医療機関の受診状況、そして日常生活の状況などについてもお伺いしますので、ご家族様と一緒にご来院ください。

Q. 頑固な便秘があります。大腸カメラを受けることができますか?
A. 便秘や下痢といった便通異常がある場合、大腸に病気がある可能性があります。早めに大腸カメラを受けることをおすすめします。便秘が強い場合には、外来で診察の上、検査の数日前から下剤を服用していただくなどのご対応をお願いすることもあります。

Q. 大腸ポリープが見つかった場合、その場でポリープを切除してもらえますか?
A. 治療が必要なポリープが見つかった場合、当院ではなるべくその場で内視鏡治療を行います。検査と治療を1回で済ませることで、体の負担や通院回数の負担を軽減できるからです。ただし、抗凝固剤(血液をサラサラにするお薬)を服用されている場合、ポリープの個数が多い場合、ポリープの大きさが大きい場合などは、複数回の検査が必要になることもあります。

Q. 大腸カメラ後は生活で何か制限はありますか?
A. 鎮静剤を使用した大腸カメラでは、当日の自動車・バイク・自転車の運転が禁止されています。ご来院の際にもご家族などの送迎か、タクシーなどの公共交通機関を利用してください。 食事制限や下剤(腸管洗浄剤)の服用で脱水症状を起こしやすくなっていますので、十分な水分補給をお願い致します。
大腸カメラでポリープ切除などの治療を行った場合については、検査後に詳細にご案内いたします。

Q. 大腸カメラを受ける際の持ち物はありますか?
A. 健康保険証(マイナンバーカード)、診察券(お持ちの方)、お薬手帳(お持ちの方)、紹介状(お持ちの方)、検診結果などの検査関連書類(お持ちの方)、替えの下着をご持参ください。検査の際には検査着に着替えていただきますので、着替えやすい服装でご来院いただくとスムーズです。

Q. 大腸カメラはどのくらいの頻度で受ければ安心ですか?
A. 大腸カメラの結果に基づいて経験豊富な消化器内視鏡専門医が、次回の検査を受けるタイミングをご説明いたします。

Q. 胃カメラ(上部内視鏡検査)と大腸カメラを同じ日に受けられますか?
A. 検査の必要性があれば、二つの検査を同じ日に行うことも可能です。ただし、体に負担がかかる場合もありますので、年齢や全身状態などによってはおすすめしないこともあります。外来で診察の上、ご説明いたします。

Q. 大腸カメラ日に生理になりました。検査を受けられますか?
A. 問題なく検査を受けられます。タンポンや経血カップだけでなく、ナプキンでも検査に支障はありません。検査に際しては必ず女性看護師が検査開始前から終了まで付き添いますのでご安心ください。気になる場合は検査日の変更も可能ですので、お気軽にご相談ください。

Q. 検査前の下剤(腸管洗浄剤)を飲んだらひどい下痢になってしまいました。下剤(腸管洗浄剤)は全量を飲む必要がありますか?
A. 質の高い検査を行うためには、腸管内を十分に洗浄する必要があります。基本的に全量服用していただきます。ただし、吐き気や腹痛などが生じた場合は、当院までご連絡ください。

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