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食道裂孔ヘルニア

人間の内臓は横隔膜という筋肉の膜で、胸腔と腹腔に分かれています(下図)。胸腔には肺や心臓、食道などがあり、腹腔には胃や肝臓、小腸や大腸などがあります。口から食べた食物は胸腔にある食道を通って、横隔膜にある食道が通る穴(食道裂孔)を通過して、腹腔内にある胃に入ります。

食道裂孔は筋肉や靱帯で支えられていますが、先天的な要因や加齢、肥満・妊娠による腹圧の上昇、円背などのため、裂孔が緩んでしまい、本来横隔膜の下部にあるべき胃の一部が胸腔内に飛び出してしまうのが食道裂孔ヘルニアです。

食道裂孔ヘルニア自体は構造的な異常にすぎず、無症状のことも多いです。しかし食道裂孔ヘルニアがあることで、胃酸が食道に逆流しやすくなり、胸やけや呑酸、げっぷ、咽頭違和感、咳などの逆流症状(逆流性食道炎の項参照)を来します。傍食道型や高度の滑脱ヘルニアでは、胸腔を圧迫するため、胸部圧迫感や呼吸困難、動悸などの症状を起こすこともあります。また食道炎が高度になれば、嚥下困難や嚥下時の痛みも現れます。

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