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感染性腸炎

感染性腸炎(Infectious enteritis )とは多種多様な病原菌の腸管感染により、発熱、下痢、悪心、嘔吐、腹痛などを来す疾患群です。起因病原体別に、あるいは、散発、アウトブレイク、食品媒介感染 といったその発生状況などから分類されます。本疾患は、多種多様な病原体の関与が想定され、一定の疫学パターンを とらないことが予想されます。しかしながら、過去のデータからは、例年初冬から増加し始め12月頃に一度ピークができた後、春にもう一つなだらかな山が でき、その後初夏までだらだらと続き、年によってはもう一度小さなピークができた後、減少していくという流行パターンをとっています。ウイルス性、特にノロウイルスによる流行が12 月のピークを形成し、その後春のピークはロタウイルスによって形成され、腸炎ビブリオなど細菌性のものやいわゆる食中毒によるものが夏期の原因になっています。

治療は、ウイルス性のものでは対症療法が中心となりますが、細菌性、あるいは寄生虫によるものでは病原体特異的な治療を行う必要があります。当院では軽症の場合は、整腸剤や解熱鎮痛剤の経口投与で外来経過観察となります。症状が強い場合、脱水を伴う場合、小児や高齢者では、輸液や注射による治療、場合によっては入院が必要となるため、基幹病院へご紹介させていただく場合もあります。

種々の病原体に対する特異的な予防方法はなく、食中毒の一般的な予防方法を励行することと、ウイルス性のものに対しては、流行期の手洗いと患者との濃厚な 接触を避けることです。いずれの病原体においても院内、家庭内、あるいは集団内での二次感染の防止策を考慮することが肝要です。また、汚染された水、食品が原因となっているものでは集団食中毒の一部を捉えていることも考慮に入れ、原因を特定するために注意深い問診を行うことが、感染の拡大防止や広域集団発生の早期探知につながります。

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