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虚血性大腸炎

虚血性腸炎とは

大腸への血液供給不足によって生じる虚血性腸炎は、腸間膜動脈の分枝である結腸動脈末梢枝の閉塞、狭窄による腸粘膜の虚血性壊死を示す炎症様病変です。下血の原因として大腸憩室症に並んで頻度が高い病気です。65歳以上の高齢者に多く発症し、年齢が上がるにつれて発生率が高くなりますが、若年者にも発生することがあります。発症率は10万人年あたり16例と報告されていますが、診断がつかないことも多く正確な発症率は不明です。

虚血性腸炎の症状

虚血性腸炎は突然の腹痛の後に、下血、下痢、腹部膨満感、嘔気・嘔吐などの症状を引き起こします。軽度の一過性の症状で終わることもあります 。

虚血性腸炎の危険因子

虚血性腸炎の最も重要な危険因子は、血管抵抗の増加による年齢であり、その他、高血圧、高脂血症(脂質異常症)、冠動脈疾患、糖尿病などにより腸間膜動脈の狭窄を有していることが多いです。さらに、心房細動、慢性閉塞性肺疾患、女性、過敏性腸疾患、喫煙なども危険因子とされます。若年者では、高血圧、便秘、下剤・浣腸の使用が危険因子として報告されています。

虚血性腸炎の検査

虚血性大腸炎が疑われる場合は、身体診察と同時に、血液検査や大腸カメラ(大腸内視鏡検)などを実施し重症度を評価します。とくに、大腸カメラ(大腸内視鏡検)は、粘膜の損傷や変化の程度を具体的に診断することができ、生検を実施することも可能なため有用な検査法となります。

虚血性腸炎の治療

軽症であれば、外来にて経過観察、軽快する場合がほとんどで、多くは輸液、絶食による保存的治療による腸管安静で数日程度で軽快します。ただし、腸管の壊死や狭窄、穿孔を認めれば、手術が必要となります。

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