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無痛大腸内視鏡検査(鎮静下大腸内視鏡検査)

皆様は大腸内視鏡検査を受けたことがありますか?大腸内視鏡検査を受けたことがある方はなぜお受けになりましたか?検査を受けたことがない方、受けたくないとお考えの方はどうしてでしょうか?

オランダからの研究報告をご紹介します1)。8,844人の症状がない健康な方を対象として、大腸検査を受ける理由と受けない理由に関する調査が行われました。大腸内視鏡検査の受診理由は次の通りです。

  1. 大腸がんになる前に病変を見つけることができるから(72%)
  2. 大腸がんを早期に見つけることができるから(60%)
  3. 自分が大腸がんになるリスクを把握したいから(54%)
  4. 自分自身の健康管理をしたいから(51%)
  5. 健診として受診したいから(47%)

一方、大腸内視鏡検査を受けなかった方の未受診理由は次の通りです。

  1. 検査が辛そうだから(66%)
  2. 検査の前処置(下剤)が辛そうだから(34%)
  3. お腹の症状がなく検査の必要性を感じないから(23%)
  4. 検査のメリットが分からないから(21%)
  5. 時間がないから(14%)

日本では1年間に15万人超もの方が大腸がんと診断されており、大腸がんと診断される率(罹患率)はがん種別にみると第1位です2)。1年間に5万1千人超もの方が大腸がんでお亡くなりになり、がん種別死亡率の第2位となっています。女性ではがん種別死亡数の第1位が大腸がんです。

大腸がんは前がん病変(腺腫など)の期間が長く、早期診断・早期治療をすることが可能でこのことにより予後の改善が得らます。そのため、大腸検査は大腸がんによる死亡を減らすための最も強力な手段です。大腸内視鏡検査は、大腸がんを見つけ出す高い精度を有しており、大腸がんを見つけるための第1の検査法とされています。大腸の腫瘍性病変を早期に検出することで内視鏡的に切除することも可能です(図1)。

当院の大腸内視鏡検査は、基本的に鎮静剤の使用を推奨しています。受診者の皆様には極力痛みや不安を感じていただくことがないように努めています。無痛を目指した鎮静下大腸内視鏡検査は、検査が初めてで緊張している方、不安を感じている方や、過去に大腸内視鏡検査でつらい思いをされた方にも安心してお受けいただけます。

鎮静剤を使用することで、ぼーっとした状態あるいは眠りに近い状態で大腸内視鏡検査を行います。ただし、高齢者や持病をお持ちの方は、心臓に負担が生じたり呼吸状態に影響がでたりする場合があります。すべての方に安全に検査をお受けいただくために、鎮静剤はご年齢や体調に合わせて適切な鎮静剤の種類と量を選択します。

鎮静剤は安全な薬ですが、稀にアレルギーなどにより体に合わない場合があります。点滴などによる血管経路を確保して検査を行いますので、万が一、アレルギーが出た場合でも適切な処置を迅速に行いますのでご安心ください。さらに、検査中は熟練した看護師が必ず付き添い、酸素飽和度、脈拍、血圧などをモニターすることで「安全第一」の検査を実現しています。

当院の内視鏡検査は、大学や基幹病院で豊富な経験を積んだ熟練の消化器内視鏡専門医・指導医が必ず担当し、「楽に受けられる」「高い病変検出率」「正確な鑑別診断」「合併症や再発のない安全な検査と治療」を実現しています。

「楽に受けられる」は腸管に負担をかけない軸保持短縮法という熟練した内視鏡挿入技術を活用していること、お腹の張りが持続しないよう空気の100倍以上早く吸収される炭酸ガス送気を使用していることで実現しています。

「高い病変検出率」「正確な鑑別診断」は狭帯域光強調(NBI)拡大観察を最新の内視鏡装置を活用すること可能です。「合併症や再発のない安全な検査と治療」は、日本内視鏡学会のガイドラインを厳守して科学的に安全な方法で実現しています。

検査後はリカバリールーム(休憩室)で30分から1時間程度お休みいただきます(図2)。ご注意いただく点として、鎮静剤の使用後は終日車の運転ができません。ご家族やお知り合いの方に送迎をしていただくか、タクシーなどの公共交通機関をご利用ください。

大腸内視鏡検査は楽に安全に受けられる検査です。大腸がんは予防できる病気ですので、40歳以上の方、便潜血が陽性となった方、便通異常(便秘、下痢、血便など)のある方、おなかの症状(腹満、腹痛など)がある方、家族に大腸がんの既往がある方は是非、大腸内視鏡検査をお受けください。

当院では専門医が診察にあたっておりますので、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。なお、2022年4月から平日(月曜日、火曜日、木曜日、金曜日)に加えて、第3土曜日も大腸内視鏡検査を行っております。

参考文献

1)de Wijkerslooth TR, et al. Reasons for participation and nonparticipation in colorectal cancer screening: a randomized trial of colonoscopy and CT colonography. Am J Gastroenterol. 2012;107:1777-83.

2)国立がん研究センターがん情報サービスhttps://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/67_colorectal.html
(Accessed March 10, 2022.)

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