残便感
「排便後もすっきりしない」「まだ便が残っている感じがする」「便が出きらない」「うんちが残っている感じ」「トイレに行ってもすっきりしない」「肛門に何かが挟まっている感じ」
そんな“残便感”にお悩みではありませんか?
残便感とは
残便感とは、排便したあとにも「まだ便が残っている」「出し切れていない」「肛門の奥に何か残っている」と感じる症状です。
実際に便が直腸に残っている場合もありますが、便が残っていなくても、腸や肛門周囲の感覚が過敏になっているために、残っているように感じることもあります。これは骨盤底筋・肛門周囲の神経・腸壁の感覚の働きが関係する主観的な感覚であり、機能性疾患や器質的疾患のどちらでも起こり得ます。
一時的な便秘やストレスで起こることもありますが、症状が続く場合や血便・便が細い・体重減少などを伴う場合は、消化器の病気が隠れていないか確認することが大切です。
こんな症状は要注意
残便感は慢性便秘や機能性排便障害でも起こりますが、以下のような“重症を疑うサイン”がある場合には、より緊急性の高い評価が必要です:
- 血便、便に血が混じる
- 黒っぽい便が出る
- 便が以前より細くなった
- 便秘と下痢を繰り返す
- 急に便通のリズム(回数・形状・量)が変わった
- 排便後もすっきりせず何度もトイレに行きたくなる
- お腹の張り・重たさ、肛門周囲の違和感
- 体重が減ってきた
- 貧血を指摘された
- 発熱、強い腹痛を伴う
- 残便感が持続し日常生活に支障がある
これらは大腸がんや炎症性腸疾患のサインの可能性があります。
早めの受診が安心や早期の治療につながります。
残便感の主な原因
便秘
便が硬い、量が少ない、腸の動きが弱いなどにより、排便後もすっきりしない感覚が残ることがあります。便秘では、いきみ、硬い便、排便回数の減少、腹部膨満感を伴うこともあります。
過敏性腸症候群
腸が敏感になり、便が十分に出ていても「まだ残っている」と感じることがあります。腹痛、下痢と便秘の繰り返し、ストレスで症状が悪化する場合には、過敏性腸症候群が関係していることがあります。
痔・裂肛などの肛門疾患
肛門周囲に炎症や痛みがあると、排便後も違和感が残ることがあります。出血を伴う場合もありますが、血便を「痔だろう」と自己判断するのは危険です。
骨盤底機能障害・直腸瘤
排便時に肛門や骨盤底の筋肉がうまくゆるまず、便を出し切れない状態です。「出口で詰まる感じ」「強くいきんでも出にくい」「何度もトイレに行く」といった症状が出ます。
直腸脱
直腸やS状結腸の内腔が狭くなると、便の通過が阻害されるだけでなく、腸管の刺激によって残便感が強まることがあります。
大腸ポリープ・大腸がん・直腸がん
直腸やS状結腸に病変があると、便が細くなる、血が混じる、便通が急に変わる、残便感が続くといった症状が出ることがあります。特に40歳以上で新たに症状が出てきた場合は注意が必要です。
潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患
腸の粘膜に炎症が起こることで、便意が頻回になる、血便、腹痛、下痢、残便感が出ることがあります。
「ただの便秘」と自己判断するのは危険です
「便が出きらない感じがするけれど、市販の下剤を飲めばなんとかなる」 「昔から便秘体質だから、いつものことだろう」
そう考えて、受診を先送りにしてはいませんか? 実は、当院を受診される患者様の中にも、「頑固な便秘だと思って長期間下剤を飲んでいたが、詳しく検査をしたら直腸がん(肛門近くのがん)が見つかった」というケースが少なからず存在します。
なぜ、このような勘違いが起きてしまうのでしょうか。
直腸にがんや大きなポリープができると、腸の内側が狭くなります。すると、便が通りにくくなるだけでなく、腫瘍そのものを「便が残っている」と脳が錯覚してしまうことがあります。これが、病気が原因で起こる残便感の正体です。
この場合、いくら下剤や整腸剤を飲んでも、原因である腫瘍がなくならない限り、すっきりとした感覚は戻りません。一般的には、食物繊維・水分・適度な運動・排便リズムの調整が排便感改善に役立つことがあります。ただし、症状が持続する場合は、便秘の原因(機能性か器質性か)を評価するための検査が必要です。
不安を解消するために、一度「中」を見てみましょう
残便感の多くは、便秘・過敏性腸症候群・痔など、良性の原因で起こります。
しかし、血便、便が細くなる、急な便通の変化、体重減少、貧血などを伴う場合には、大腸がんや炎症性腸疾患などを確認するために、大腸カメラ検査が重要になります。
大腸カメラでは、直腸や大腸の粘膜を直接観察できるため、症状の原因を調べるうえで非常に有用です。
- トイレの後もすっきりしない感覚が続いている
- 便が以前より細くなった気がする
- 排便の回数が異常に増えた(何度もトイレに行きたくなる)
もしこのような症状があるなら、それは身体からの「調べてほしい」というサインかもしれません。
「もし悪い病気だったらどうしよう」と不安に思って検査をためらっている間に、病気が進行してしまうことこそが一番のリスクです。早期に発見できれば、内視鏡治療だけで完治できる可能性も十分にあります。
ご自身の健康を守るため、自己判断で様子を見続けず、ぜひ一度消化器内科で大腸カメラ検査を受けてください。「検査って痛いの?怖い…」というご不安は多くの患者様がお持ちです。永田胃腸・消化器医院では、鎮静剤を使い、ウトウトしている間に検査が終わる苦痛の少ない検査方法もご用意していますので、安心してご相談ください。
「薬を飲んでいるのに治らない」とお悩みの方へ
「近くの病院で『ただの便秘』と言われて薬を飲んでいるが、残便感が消えない」 「『様子を見ましょう』と言われたけれど、違和感が続いていて不安だ」
このようなお悩みを抱えて、当院を受診される患者様は少なくありません。
近隣の先生方の初期治療(整腸剤や下剤の処方など)で改善するケースも多いですが、もし数週間〜数ヶ月経っても症状が変わらない場合は、アプローチを変えて「腸の中を直接見る検査」が必要な段階にあると言えます。
残便感で大腸カメラ検査を考えた方がよいケース
次のような場合は、大腸カメラ検査で大腸や肛門の状態を確認することをおすすめします。
・残便感が数週間以上続いている
・便が以前より細くなった
・血便、便に血が混じる、黒っぽい便がある
・便秘と下痢を繰り返す
・急に便通のリズムが変わった
・市販薬や下剤を使っても改善しない
・体重減少や貧血を指摘された
・40歳以上で、これまで大腸カメラを受けたことがない
・便潜血検査で陽性になったことがある
大腸カメラ検査では、直腸がん・大腸がん・大腸ポリープ・炎症性腸疾患などを直接確認できます。異常がなければ、「重大な病気ではなさそう」と分かることも大きな安心につながります。
ご予約の流れ
- 診察のご予約
事前に24時間ご予約可能なLINE予約または、WEB予約にてご予約ください。
LINE予約でしたら、スマホから簡単に最短15秒で予約することが可能です。
診察枠の都合上、血便迅速外来およびアニサキス迅速外来を除きまして外来診療は原則として予約制となります。予約がない場合には、診察時間が大幅に遅くなる可能性があります。何卒ご容赦ください。
簡単・便利な「ネット予約」を是非ご利用ください。 - 検査のご予約
大腸カメラ検査を受けたい日時が既に決まっている場合、LINE予約または、WEB予約にて検査日の「仮予約」を行うことも可能です。ただし、検査の3日以上前に診察を受けることが必要です。大腸カメラ検査の仮予約をするとともに、検査予定日の3日以上前に「事前診察」もご予約のうえで受診してください。
事前診察の当日には、検査前の診察や事前説明を行い、必要があれば血液検査等を行う場合もございます。 - web問診
来院前にスマホやパソコンから、来院後にスマホやタブレットから問診にお答えください。なお、web問診にご回答いただくだけでは来院予約とははなりませんのでご注意ください。上記1のご予約をお願いいたします。
大腸カメラで異常がなかった場合
大腸カメラで大腸がん、ポリープ、炎症などが見つからなかった場合でも、残便感が続くことがあります。
その場合は、便秘のタイプ、食生活、排便習慣、ストレス、骨盤底の働き、肛門周囲の病気などを総合的に確認します。
必要に応じて、便秘薬の調整、食事・水分・運動の見直し、排便姿勢の工夫、肛門疾患の治療などを行います。
「検査で異常がない=何もできない」ではありません。原因に合わせて、症状を軽くする方法を一緒に考えていきます。
ご自宅でできる残便感・便秘対策
症状が軽く、血便や体重減少などの注意症状がない場合は、まず生活習慣を整えることも大切です。
・朝食をとり、朝の排便リズムを作る
・水分をこまめにとる
・野菜、海藻、きのこ、果物などを無理のない範囲で取り入れる
・便意を我慢しない
・トイレで長時間いきみすぎない
・軽い散歩などで腸の動きを促す
・足台などを使い、少し前かがみの姿勢で排便する
ただし、強い残便感が続く場合や、血便・便が細い・急な便通変化がある場合は、生活改善だけで様子を見続けず、消化器内科にご相談ください。
遠方からのご来院が増えています
当院には、袋井市内だけでなく、浜松市、磐田市、御前崎市、菊川市、森町など、お車で30分〜1時間かけて来院される患者様が多くいらっしゃいます。
わざわざ遠方から足を運んでいただく理由の多くは、「消化器内視鏡専門医による、確実な診断を受けたい」という思いからです。
「残便感」という感覚的な症状は、外からの診察やお腹のレントゲンだけでは原因が特定しにくいことがあります。だからこそ、経験豊富な専門医が内視鏡(大腸カメラ)を用いて、「腸の中で実際に何が起きているのか」を目で見て確認することに大きな価値があります。
- 直腸がんやポリープはないか?
- 炎症性腸疾患など治療が必要な炎症はないか?
これらを専門的な視点ではっきりとさせることで、長く続いた不安から解放される患者様がたくさんいらっしゃいます。「遠くまで来た甲斐があった」と思っていただけるよう、当院では苦痛の少ない検査と丁寧な説明を心がけています。 長く続く残便感でお困りの方は、諦めずにぜひ一度、永田胃腸・消化器医院にご相談ください。
早めの受診で安心を
残便感が続く場合、消化器内科での精密検査「大腸カメラ検査」が原因特定に有効です。
異常が見つかれば早期治療により症状改善が期待できます。
当院の大腸カメラは苦痛に配慮しています。鎮静剤などを使用するため、うとうとしている間に楽に検査が終わります。浜松市、磐田市、菊川市、御前崎市からも、残便感や便通異常で来院される方が増えています。
すぐ受診が必要なケース
-
突然の強い腹痛・血便・黒色便
-
急激な体重減少・発熱を伴う場合
-
排便回数の急激な増減・排便困難が進行
まず生活改善と数週間様子見でも良いケース
-
過去からの便秘症状があり改善傾向がある
-
多量のストレスや食事パターンの変化がある
長期的な対策が必要な場合
-
数週間〜数カ月で改善がない
-
繰り返す残便感/頻回のトイレ通い
よくある質問
Q. 残便感があると大腸がんですか?
残便感があるからといって、すぐに大腸がんというわけではありません。便秘、過敏性腸症候群、痔、肛門周囲の違和感などでもよく起こります。
ただし、血便、便が細い、急な便通の変化、体重減少、貧血を伴う場合は、大腸がんや直腸がんなどを確認するために大腸カメラをおすすめします。
Q. 便秘薬を飲んでいれば様子を見てもよいですか?
一時的な便秘で、症状が軽く改善傾向がある場合は、生活習慣の見直しや便秘薬で改善することもあります。
しかし、数週間以上続く残便感、便が細い、血便、便通の急な変化がある場合は、薬だけで様子を見るのではなく、一度消化器内科で相談してください。
Q. 大腸カメラで異常がなければ、残便感は治りますか?
大腸カメラでがんや炎症などの重大な病気がないことを確認できると、大きな安心につながります。
そのうえで、便秘のタイプ、腸の過敏性、肛門周囲の病気、排便習慣などを確認し、症状に合わせた治療や生活改善を行います。
まとめ
残便感は、便秘や過敏性腸症候群などの良性の原因で起こることも多い症状です。
一方で、血便、便が細い、急な便通の変化、体重減少、貧血などを伴う場合には、大腸がん・直腸がん・炎症性腸疾患などが隠れていることもあります。
「便が出きらない感じが続く」「トイレに行ってもすっきりしない」「何度も便意がある」という症状が続く場合は、自己判断で市販薬を続けるだけでなく、消化器内科で原因を確認することが大切です。
永田胃腸・消化器医院では、消化器内視鏡専門医が、残便感や便通異常の原因を丁寧に診察し、必要に応じて苦痛に配慮した大腸カメラ検査を行っています。袋井市、磐田市、掛川市、森町、菊川市、御前崎市、浜松市周辺で残便感にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
日本消化管学会. 便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症. Mindsガイドラインライブラリ.
日本消化器内視鏡学会. 大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン. Gastroenterological Endoscopy. 2020.
国立がん研究センター. 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版.
British Society of Gastroenterology guideline for chronic diarrhoea in adults, 3rd edition
Rome Foundation – Rome IV Criteria
AGA Technical Review on Constipation (2013, PMC)
ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome (2021)(AJG)
日本消化器病学会 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020
日本消化器病学会. 過敏性腸症候群(IBS)診療ガイドライン2020.
ASCRS Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Rectal Prolapse (2017)
Rectal cancer: a review (2015, PMC)
大腸癌研究会(JSCCR)大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024
この記事の執筆者
理事長・院長 永田 浩一
略歴
1996年 国立群馬大学医学部医学科卒業
1996年-2001年 東京女子医科大学 附属第二病院(現 足立医療センター) 外科
2001年-2007年 昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター
2007年-2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科
2011年-2014年 亀田メディカルセンター 消化器科・放射線科 部長
2014年-2015年 NTT東日本伊豆病院 健診センター 特任部長
2015年-2019年 国立がん研究センター 検診研究部 検診評価研究室長
2018年4月-現在 国立がん研究センター 中央病院 検診センター (併任)
2019年4月-2026年3月 福島県立医科大学 消化器内科学講座 特任教授
資格
消化器内視鏡認定医・専門医・指導医
消化器病専門医・指導医
消化器がん検診総合認定医・消化器がん検診指導医
外科認定医・認定登録医
胃腸科専門医
難病指定医
便通マネージメントドクター
アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員
アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員
医学博士(昭和大学):学位論文
Polyethylene glycol solution (PEG) plus contrast-medium vs. PEG alone preparation for CT colonography and conventional colonoscopy in preoperative colorectal cancer staging. Int J Colorectal Dis 2007; 22: 69-76.
学会役員やジャーナルの役職など
Honorary Editors-In-Chief (International Journal of Radiology), Editorial Board Member (World Journal of Gastroenterology, World Journal of Radiology, World Journal of Gastrointestinal Endoscopyなど7英文誌)
日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
消化管先進画像診断研究会(GAIA) 代表世話人
元 日本消化器がん検診学会 代議員
日本消化器がん検診学会 大腸CT検査技師認定委員会 副委員長
日本消化器がん検診学会 教育・研修委員会委員
日本消化器がん検診学会 編集委員会 用語集改訂小委員会委員
日本大腸検査学会 評議員
