大腸憩室炎
大腸憩室とは、腸管内圧の上昇により粘膜+粘膜筋板のみが腸管壁の抵抗減弱部位より脱出して発生するくぼみです。憩室自体はあるだけでは無症状で、特に治療を必要としませんが、便秘などの誘因により炎症を起こしたり、出血を起こすと治療が必要となります。憩室に炎症が起こり、発熱や腹痛を来す疾患を大腸憩室炎と呼びます。
図 大腸憩室(当院の検査症例。患者様には画像使用の許可・同意を頂いております)
S状結腸に憩室が多発しています。慢性大腸憩室炎の診断です。
軽度の腹痛から始まり、炎症が広がるにつれて腹痛の範囲、強さが増していきます。また発熱も来すようになります。適切な治療がなされず、炎症が悪化した場合、穿孔→腹膜炎→敗血症→ショックとなり、死に至ることもあります。また炎症により腸管の内腔が狭窄し、便秘、腸閉塞となることもあります。