アニサキス迅速外来
アニサキス症とは
海産魚介類の生食を原因とする寄生虫症の中でも、日本で最も多発するものがアニサキス症です。アニサキス症の発生は、刺身や寿司など海産魚介類の生食を嗜好する食習慣と強く関連することから、諸外国に比して圧倒的多数の症例が日本で発生しています。
魚介類の生食後数時間して、激しい上腹部痛、悪心、嘔吐をもって発症するのが胃アニサキス症の特徴で、人体症例の大半がこの症状を呈します(劇症型胃アニサキス症)。
アニサキスは、「60度以上で1分以上の加熱」「マイナス20度以下での24時間以上の冷凍」によって死滅しますので、適切な加熱・冷凍処理をされた魚を食べることで、アニサキス症を予防することができます。とはいえ、新鮮なお刺身を食べたくなるのも人情です。
治療法に関しては、胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を見つけ、これを鉗子で摘出します。当院でも施行可能ですので、心当たりのある方はご相談ください。
アニサキス迅速外来のご案内
静岡県近海の美味しい刺身(サバ、イカ、サンマ、アジ、イワシ、カツオ、ヒラメなど) にはアニサキスが寄生していることがあります。
刺身を食べた当日・翌日の腹痛・嘔吐に対して「アニサキス迅速外来」を行っています。
当院の検査は通常、完全予約制のため予約のある患者様を優先していますが、お刺身食後に急に胃痛が出現したアニサキスによる食中毒が疑われる患者様は、 予約の有無に限らず、可能な限り当日中に診察し、迅速に胃カメラ検査を実施いたします。
アニサキスとは
お刺身にいる糸状の寄生虫です。
冷凍していない新鮮なお刺身(サバ、イカ、サンマ、アジ、イワシ、カツオなど)を食べると、アニサキスが胃・腸の壁に喰いつき、食後数時間後に、激しい上腹部痛・嘔吐をきたすことがあります。
アニサキスは、内視鏡により除去することが可能です。
対象となる患者様
お刺身(サバ、イカ、サンマ、アジ、イワシ、カツオ、ヒラメなど)を食べた当日・翌日の胃痛・腹痛・嘔吐などの症状をきたした患者様。
アニサキス迅速外来でできること
当院では、以下のような専門的な診療で胃痛の原因を解明し、適切な治療を行うことができます。
消化器の専門医・指導医による診察
消化器の専門医による迅速な胃カメラ検査・アニサキス除去術
【内視鏡による胃アニサキス除去】(当院で治療症例。患者様には画像使用の許可・同意を頂いております)
胃の粘膜に白い糸状のアニサキス虫体(矢印)が刺入しているのが観察されます。
アニサキスは活発に動いています。
内視鏡鉗子で刺入しているアニサキス虫体を把持します。
鉗子でアニサキス虫体を回収し人体より取り出し、アニサキス除去が完了します。
ご来院時のお持物
外来のご予約は不要ですが、来院時に受付で「アニサキス迅速外来を希望する」とお伝え下さい。
保険証を必ずご持参ください。
注意事項
胃内をくまなく詳細にアニサキスが寄生していないか観察し確実に摘出するためには、胃の中がからっぽであることが望ましいです。
そのため、食事してから3~4時間以上経過してから、胃カメラ検査にご案内いたします。
胃カメラ検査の際に鎮静剤を希望される場合は、帰りの運転は控えていただきます(院内駐車場に翌朝まで駐車することも可能です。)
参考文献
A critical review of anisakidosis cases occurring globally. Parasitol Res 2023;122:1733-45.
Treatment of anisakiasis with albendazole. Lancet 2002;360:54.
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡ハンドブック 改定第2版 日本メディカルセンター
この記事の執筆者
理事長・院長 永田 浩一
略歴
1996年 国立群馬大学医学部医学科卒業
1996年-2001年 東京女子医科大学 附属第二病院(現 足立医療センター) 外科
2001年-2007年 昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター
2007年-2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科
2011年-2014年 亀田メディカルセンター 消化器科・放射線科 部長
2014年-2015年 NTT東日本伊豆病院 健診センター 特任部長
2015年-2019年 国立がん研究センター 検診研究部 検診評価研究室長
2018年4月-現在 国立がん研究センター 中央病院 検診センター (併任)
2019年4月-現在 福島県立医科福島県立医科大学 消化器内科学講座 特任教授(併任)
資格
消化器内視鏡認定医・専門医・指導医
消化器病専門医・指導医
消化器がん検診総合認定医・消化器がん検診指導医
外科認定医・認定登録医
胃腸科専門医
難病指定医
便通マネージメントドクター
静岡県肝炎医療コーディネーター
アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員
アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員
医学博士(昭和大学):学位論文
Polyethylene glycol solution (PEG) plus contrast-medium vs. PEG alone preparation for CT colonography and conventional colonoscopy in preoperative colorectal cancer staging. Int J Colorectal Dis 2007; 22: 69-76.
学会役員やジャーナルの役職など
Honorary Editors-In-Chief (International Journal of Radiology), Editorial Board Member (World Journal of Gastroenterology, World Journal of Radiology, World Journal of Gastrointestinal Endoscopyなど7英文誌)
日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
消化管先進画像診断研究会(GAIA) 代表世話人
元 日本消化器がん検診学会 代議員
日本消化器がん検診学会 大腸CT検査技師認定委員会 副委員長
日本消化器がん検診学会 教育・研修委員会委員
日本消化器がん検診学会 編集委員会 用語集改訂小委員会委員
日本大腸検査学会 評議員
