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【糖尿病治療と消化器内視鏡の専門クリニックによる対談】専門医同士の連携が地域医療にもたらすもの

本日は内視鏡専門の永田院長と、糖尿病治療に注力する岩瀬 宗司院長にお越しいただき、地域医療における専門医同士の連携の重要性についてお話を伺いたいと思います。お二人ともご協力いただき誠にありがとうございます。

両院の紹介と地域医療への想い

まずは、いわせ医院の岩瀬 宗司院長先生から「いわせ医院」のご紹介をお願いできますでしょうか。

岩瀬先生 

静岡県磐田市にあるいわせ医院は、私の父が2005年に開院して以来、20年以上に渡り静岡県磐田市を中心とした遠州地方の地域医療に貢献してきたクリニックです。

2021年6月より私が院長を引き継ぎ、専門である糖尿病や甲状腺疾患、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病から一般内科まで幅広く対応しており、専門的な検査や治療が必要な場合には、地域の専門クリニックや中核病院とも連携し、迅速に紹介しています。

また、各種予防接種や健康診断も行い、地域の皆様の「かかりつけ医」として気軽に相談できる医院でありたいと考えています。永田先生とは、お互いの専門性を尊重しながら患者さんに最適な医療を提供するために連携させていただいております。

岩瀬先生、ありがとうございます。それでは続いて永田先生、永田胃腸消化器科医院のご紹介をお願いできますでしょうか。 

永田院長

永田胃腸・消化器科医院は、先代院長が内科疾患全般を診療した従来のスタイルから、2024年10月に私が継承し、消化器内科、胃腸内科、特に内視鏡検査に特化したクリニックとして静岡県袋井市で最新のエビデンスに基づいた質の高い内視鏡検査・治療を提供しています。

当院では眠っているうちにできる痛くない・苦しくない大腸カメラを特長としており、女性医師も在籍しておりますので、女性に優しい内視鏡検査も行っております。袋井市だけでなく掛川・磐田・菊川などの広く遠州地域の方々にご支持いただき、胃カメラ、大腸カメラを月に400件以上実施しております。

岩瀬院長先生のクリニックに受診された便秘や腹部の不調がある患者さんも、当院へご紹介いただいております。

当院では、食生活の欧米化で増えている潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、中高年の大腸ポリープ、大腸がん、そして感染症に関連する疾患を多く診ています。本日は、この地域で比較的少ない専門資格をお持ちの糖尿病専門医である岩瀬先生との対談を楽しみにしておりました。

遠州地域の健康をどう守るか:大腸がんと糖尿病

お二人のお話を伺うと、糖尿病と内視鏡という、それぞれかなり専門的に特化されている印象を受けます。遠州地域の患者さんの健康をどう守っていくかという点で、それぞれの専門性や特化している部分が強く表れていると感じています。それでは、遠州地域の患者さんの健康をどのように守っているかについて、永田先生からお話を伺えますでしょうか。

永田院長

袋井市をはじめとした掛川・磐田・菊川などの遠州地域でも日本をはじめとする先進国と同様の傾向で大腸がんや糖尿病といった疾患が増加しています。この地域の健康を支えるためには、増加している疾患の早期発見と治療が重要になってきます。

大腸がんは、日本において年齢・性別に関わらず増加している疾患であり、40代から大腸ポリープの保有者が増え始め、50代以降で急増する傾向があります。大腸がんは早期に発見できれば、その多くは予防も可能ですし、早期のうちであれば大腸カメラで完治することが可能な病気です。

ですから、便潜血陽性となったり血便に気づいたりなど、異常があった場合には、他に症状がなくても、大腸カメラによる早期診断を受けることを強くお勧めしています。当院では、安全な鎮静剤を使った技術で「痛くない・苦しくない」内視鏡検査を目指し、最新の装置と確立された挿入法により、正確で安全な検査を提供しています。

がんは進行してしまうと、転移の問題や、侵襲(がんの根が深く張ってしまうこと)により大きな手術が必要となったり、抗がん剤治療が必要になったりします。そうなる前に、内視鏡で簡単に治せるポリープの段階で受診いただければ、遠州地域の皆様の命と生活の質を守ることにつながると考えております。

ありがとうございます。それでは岩瀬先生、いわせ医院の特徴も交え、糖尿病治療による地域医療への貢献についてご紹介いただけますでしょうか。

岩瀬先生

糖尿病はご存知の通り増えており、この遠州地域でも非常に患者さんが多い疾患の一つです。現代では、糖尿病が強く疑われる方は約1,000万人、実際に治療を受けている方は552万人おり、高齢化や生活の欧米化に伴って年々増加しています。

糖尿病は初期には自覚症状がほとんどないため放置されがちな病気です。しかし、適切に治療をしないと、糖尿病網膜症による失明や、腎不全による透析、神経障害による足の壊疽などの細小血管合併症、さらには心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの心血管疾患のリスクを高め、生活の質が大きく損なわれてしまいます。また、心不全や心房細動、脂肪性肝疾患、腫瘍など様々なリスクを高めるとも言われています。

いわせ医院では、糖尿病による失明・透析・足の壊疽・心血管疾患の併発がおこらない様、血糖コントロールだけでなく、血圧、体重、コレステロールも含めた総合的な管理を行い、食事や運動療法も患者さんの病態や生活背景を踏まえて指導しています。

近年は血糖値を下げるだけでなく、心臓や腎臓を保護する効果を持つ新しい治療薬(SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など)も取り入れつつ、一人ひとりの患者さんに寄り添い、合併症とQOL向上を目指した診療を行うことが、遠州地域の健康に直結すると考えています。

継続的な治療を支える信頼関係と工夫

ありがとうございます。内視鏡と糖尿病という異なる専門分野でありながら、どちらも長期にわたって患者さんを管理し続けるという点で共通していますね。
大腸がんでポリープが見つかれば定期的な検査が必要ですし、糖尿病も長期の病気管理が重要です。通院を継続してもらうための、貴院ならではのポイントがあればお聞かせください。 

永田院長

当院も遠州の地域に根ざした診療を行っており、長期のお付き合いがある患者さんも少なくありません。

長期という点では、例えば親子三代にわたって診ることもあります。ピロリ菌は乳幼児期の口移しなどによる感染が原因であり、祖父母や親から子や孫へとうつってしまう可能性があるため、親子の関係を把握する必要があります。

また、大腸ポリープのフォローアップで来院されている患者さんが、今度はお通じの具合が良くないといった相談をされることもあります。私の領域でも、一口に下剤といっても、様々な種類があり、細かい調整が必要です。過敏性腸症候群などではとくにさじ加減が難しくなります。長期的に良好な関係を築くために、専門領域の薬や検査内容を丁寧に説明し、使い分けることによって、患者さんからご信頼いただけるのだと思います。

永田先生、ありがとうございます。長期にわたる管理が必要な糖尿病についてはいかがでしょうか。

岩瀬先生

糖尿病で、なかなか管理ができない患者さんを継続治療してもらうのは難しいところがあります。日々努力されていると思いますので、一緒に「何が食べられるか」「どんな運動ができるか」を考え、患者さん自身のペースを尊重し、できることを一緒にさがします。この遠州地域は運送業や製造業の方が多く、深夜勤務などで生活リズムが違う方もいらっしゃるので、その患者さんの生活背景に寄り添って、どうすればうまく食事や内服の管理ができるか、治療中断を防ぐにはどうすればよいか、ということを考えています。

また、新しい良い治療薬(SGLT2阻害薬やGLP1受容体作動薬など)も出ていますが、費用が高い場合もあります。そのため、患者さんの経済的な背景も考えながら糖尿病治療を行うこともあります。

専門医同士の具体的な連携と紹介の基準

お二人とも、世代、生活習慣、職業、経済面といった患者さん個人の背景まで踏まえ、地域に根ざした診療をされていることが分かりました。ここからは、お互いにどのように連携し、どのような患者さんを紹介し合っているのか、という点についてお聞かせください。まず、永田先生から、どのような患者さんを積極的に岩瀬先生にご紹介されているか、お話しいただけますでしょうか。

永田院長

2024年10月に継承した際、消化器とくに内視鏡の専門性を高めようと考えていましたが、当院には糖尿病の患者さんが多く通院しておりました。専門医の診療を受けるべきだと判断し、地域で実績と評判の高い糖尿病専門医である岩瀬先生を中心に糖尿病の患者さんを紹介するに至りました。

すでに通院いただいている患者さんだけでなく、健診や人間ドックで便潜血陽性となり来院された方で、血糖値やHbA1cの数値が高い場合、薬を出してくれないかという患者さんもいらっしゃいます。そのような方には第一に、糖尿病専門医であるいわせ医院の岩瀬先生をお勧めしています。

また、大腸疾患や胃の疾患で当院に通っている患者さんでも、糖尿病を発症した場合は、生活背景に合わせた治療が必要ですので、継続的な管理を岩瀬先生にお願いしています。糖尿病は長期にわたるケアが必要な病気ですので、安心してお任せできる岩瀬先生に専門的な指導をしていただいております。

ありがとうございます。大腸カメラの際に血液検査を行う中で、以前はHbA1cが高くなかったのに、今回は異常値が出たといった患者さんは多くいらっしゃるのでしょうか。

永田院長

もちろんです。便潜血が複数回引っかかることもありますし、大腸ポリープのフォローアップでも、年齢に伴い体重が増えたり運動不足になったりすることで、血糖値が徐々に上がってくる患者様は少なくありません。そのような方はいわせ医院の岩瀬先生へご紹介して適切で確かな糖尿病治療をいただいております。

岩瀬先生

私の方から紹介させていただくケースとしては、消化器系の症状や検査異常が見られる患者さんが多いです。例えば、定期検診で便潜血陽性になった方や、お腹の痛み、下痢、便秘、血便などがある方は、大腸がんなど重大な病気が隠れている可能性があるため、すぐに永田胃腸・消化器医院の永田先生へ内視鏡をお願いしています。

私の専門は糖尿病・甲状腺疾患ですが、お腹の調子も相談したいという患者さんもいらっしゃいます。その場合も、無理に自分で診るよりも、消化器の専門医である永田先生に紹介した方が確実だと考えています。永田先生は最新機器で精度の高い検査もされていますので、自信を持って「永田先生の方でしっかり調べてもらいましょう」とお勧めできます。

また、私の父が消化器外科医だったという経緯もあり、当院でも消化器疾患に注目してきましたが、永田先生のような地域の消化器専門医とネットワークを持てることは非常に心強いと感じています。

今、リアルタイムで専門医同士の意見交換が行われていますが、岩瀬先生から永田先生へ、特に紹介したい患者さんのパターンについて、ご質問はありますか。

岩瀬先生

便潜血やバリウムの異常(胃炎など)は紹介させていただくとして、糖尿病の治療中に血糖コントロールが悪化した場合、膵臓や肝臓も含めて、消化器疾患が原因で悪くなっている方も紹介してよろしいでしょうか。

また、貧血(特に鉄欠乏性貧血)で来院される患者様も多く、若い人は鉄剤で済むかもしれませんが、その原因が消化管出血である可能性もあるため、精査する必要があると考えています。貧血だけで紹介してもよろしいでしょうか。

さらに、体重減少です。糖尿病や甲状腺疾患でも体重減少は見られますが、私の専門から見て違和感があるような体重減少の場合、消化器内科にまず行くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

永田院長

最初の肝臓膵臓の問題について、糖尿病と関係ないところで何か問題がある場合には、ぜひご紹介ください。当然フォローアップさせていただきます。

2点目の貧血については、先生がおっしゃるように、鉄剤で良くなる女性の方は問題ありませんが、鉄剤の治療に抵抗する場合や、男性の貧血は消化管からの出血が原因であることが多いので、その際にはぜひご紹介ください。

3点目の体重減少はまさにその通りで、先生のご専門からみて、糖尿病と関係なく体重減少しているとみられる場合は注意が必要です。食事指導や運動療法、治療で改善した場合を除いた体重減少には、消化器の一通りの精査が必要です。先生からご覧になって違和感がある体重減少は、喜んで私の方で精査させていただきます。

連携が患者さんにもたらすメリット

お二人とも活発な意見交換をありがとうございます。では最後に、専門医同士が直接連携し、患者さんを紹介し合うことで、患者さんにもたらされるメリットについてお伺いします。岩瀬先生からお願いします。

岩瀬先生

専門医同士が直接やり取りをして患者さんを紹介し合うことで、医療の無駄や時間の遅れなどを減らせるのがメリットだと思っています。永田先生からいつも丁寧な事前の情報提供を共有していただけるので、患者さんに同じ検査を繰り返すことなく、スムーズな診療を開始できます。

患者さんにとっても、信頼できる主治医(かかりつけ医)から「この先生に診てもらいましょう」と紹介されると安心感があると思います。たらい回しにされるよりも、主治医間の連携のもとで専門の診察を受けられる安心感が大きいです。結果として、遠州の地域全体で患者さんをチーム医療的に診る形になり、長期的に見た健康管理もうまく回っていくと考えています。

永田院長

専門医の先生と繋がっていることで、すぐに紹介しあえることができるのが最大のメリットです。もちろん地域の基幹病院にも専門医はいらっしゃいますが、クリニック同士の連携では顔が見えており、確実に岩瀬先生に糖尿病を診ていただけることが分かっています。これを直接患者さんに説明することができるのが患者さんにとっては何よりの安心材料になるのではないかと考えています。

患者さん自身は、誰に診てもらえばいいのか分からないことが意外とあります。胸が痛いのに消化器科に来るようなこともあります。当院に糖尿病に関する患者さんがいらっしゃった場合、自信を持っていわせ医院の岩瀬先生へご紹介することによって、患者さんの迷いもなくせます。時間的なロスもなく、病気の進行を遅らせることなく、専門的な治療に入れることがメリットだと考えています。

糖尿病は自覚症状がないことも多いため、こちらが強く言わないと、元の生活に戻り悪化してしまうパターンがあります。そうした患者さんが来院されれたら、すぐに岩瀬先生におつなぎすることで、結果的に患者さんの将来の健康を守ることに繋がると信じています。

「顔の見える連携」で遠州地域の健康を守る

お二人とも、ご協力いただき誠にありがとうございました。最後に、お二人から締めの挨拶をいただけますでしょうか。

永田院長

岩瀬先生のお話を聞いて、やはり安心できる糖尿病専門医であると感じました。紹介するとこちらも引き締まりますので、すぐに診て、すぐにお返しするという緊張感も持った上で連携ができます。顔が見える中で連携することの意義が高いと痛感しました。

実は岩瀬先生とは高校が一緒で、そういったところでもシンパシーを感じています。医師同士が繋がることで紹介・医療連携がスムーズになり、遠州の地域で、糖尿病の患者様、大腸胃の病気をお持ちの患者様、双方にとって、専門医が繋がることは大きなメリットであると確信しております。今後ともよろしくお願いいたします。

岩瀬先生

今回、永田先生と顔を見合わせてお話させていただき、安心できました。やはり地域の顔の見える連携は大切だと改めて感じています。

糖尿病は治療が長期にわたり、食事運動など、日々の生活を切り離せない病気です。患者さんに継続して通院していただける身近なクリニックとして、専門知識を生かした治療を提供していきたいと思います。かかりつけ医として気軽に相談でき、安心できる医療を目指していきたいです。

必要な時には、消化器の永田先生をはじめ、信頼できる専門医と連携しながら、遠州地域にお住まいの方の健康寿命の延伸に貢献できればと思っています。

大学病院時代に消化器内科と糖尿病・内分泌代謝内科が同じ医局だったこと、また永田先生と高校が一緒だったこともあり、大変親近感が湧いています。この機会を通じて消化器の専門医である永田先生と繋がることができ、大変心強く思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

 

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