【永田胃腸・消化器医院 永田院長×下嶋医師対談 】胃カメラ・大腸カメラの不安解消から早期発見・治療の重要性まで
本日は、消化器内科に特化したクリニックである永田胃腸・消化器医院の永田院長と、ご勤務されている消化器専門医の下嶋先生をお招きし、大腸がんをはじめとする消化器疾患について、女性医師の目線も交えながら対談形式でお話を伺います。
『永田胃腸・消化器医院』のご紹介と下嶋先生のご経歴の紹介をお願いします。
- 永田胃腸・消化器医院は、2024年10月から消化器内科、胃腸内科、内視鏡内科に特化したクリニックとして開院いたしました。消化器専門医・指導医が勤務しており、エビデンスに基づいた最新の内視鏡技術を駆使し、正確で安全、苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラを実施しています。今日の対談の趣旨としては、当院に週1〜2回勤務している消化器専門医の下嶋先生という女性医師がいらっしゃるため、女性医師の目線から大腸がんや消化器疾患についてお話ししたいと考えております。
- 東京女子医科大学を卒業後、附属病院で検査科・光学診療部(内視鏡内科/臨床検査科)に所属していました。永田院長とは同じ病院で働いており、永田院長が永田胃腸・消化器医院に戻られて地域医療に貢献されるということで、私も喜んで参加させていただいています。
内視鏡検査の重要性:発見できる疾患と早期発見のメリット
早速ですが、内視鏡検査についてお伺いします。多くの方が不安を感じる検査だと思いますが、その有用性についてお二方からお聞かせください。
- 当院では消化器内視鏡検査を行っており、上部消化管(食道、胃、十二指腸)と下部消化管(大腸)の診断が可能です。 胃カメラでは、胃がん、食道がん、十二指腸がんといった腫瘍性の病気のほか、慢性胃炎、ピロリ菌関連の病気、胃潰瘍、逆流性食道炎といった炎症性の病気も発見できます。また、器質的な異常ではなく、機能に異常がある機能性ディスペプシアの診断確定にも有効な検査です。
- 大腸カメラでは、ポリープや大腸がんなどの腫瘍性疾患、そして近年増加している炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病など)、感染性腸炎、薬剤性腸炎など多岐にわたる病変が発見できます。特に炎症性腸疾患の中には経験豊富な医師でないと診断・治療が難しい疾患もあります。 また、痔による出血などの肛門疾患や、憩室炎や憩室出血なども大腸内視鏡で発見できることがあります。内視鏡検査は、これらの疾患の早期発見・早期治療に繋がり、内視鏡で完結できる治療領域も広がっています。
早期発見・早期治療について、さらに詳しくご説明いただけますでしょうか。
- 早期発見・早期治療がなぜ大切かというと、消化器で重要となる胃がんや大腸がんのような腫瘍性の病変は、早期のものであれば5年生存率が90%以上、最近では95%前後まで上がっており、完治が望めます。がんと聞くと怖い印象があるかもしれませんが、早く見つけることで完治が期待できます。そのためには、胃カメラ・大腸カメラで切除可能なうち、あるいは手術になるとしても早期のうちに発見することが重要です。早期に発見することで、侵襲の少ない手術や抗がん剤治療を開始できる可能性もあります。
- 一般的には検診の便潜血検査で引っかかって、大腸ポリープが見つかることが多いのですが、日本では二次検査(精密検査)を受ける方が少ないのが現状です。二次検査(精密検査)のハードルが下がれば、永田先生がおっしゃるように早期の病変を見つけて、内視鏡治療で完結できることが一番侵襲も少なく良いと考えています。
- 下嶋先生がおっしゃるように、便潜血陽性や何らかの兆候があった場合に、なかなか大腸カメラや胃カメラを受けていただけない状況があるのが問題点であり課題だと感じています。
内視鏡検査を受けるべき「サイン」
便潜血検査以外に、一般人が「これは検査を受けた方がいいサインだ」と気づけるようなものはありますか?
- 胃カメラ(上部内視鏡)に関しては、腹痛を繰り返す場合、胃酸が上がってくる場合、胸焼けがする場合、あるいは喉の違和感がある場合などがあります。症状が続く方は知らないうちに潰瘍ができていたり、ひどい食道炎を起こしていることもあるため、上部内視鏡を受けられると良いと思います。
- 一方、大腸の方も様々な症状があります。以前はなかった便秘や下痢をするようになった場合、便秘と下痢を繰り返すようになった場合、腹痛がつづく場合、トイレットペーパーに血が付く場合、血便に気付いた場合などです。 「自分は痔があるから血が付くんだ」と自己判断してしまい、大腸がんの発見が遅れるケースが少なくありません。下嶋先生が挙げた症状や、お腹の症状がある場合は、不安があれば一度ぜひ気軽にご相談いただきたいと思います。
女性患者様への配慮と不安・恥ずかしさの軽減
女性特有の不安や恥ずかしさについて、当院での配慮をお聞かせください。
- 痔の症状がある方が便潜血検査で引っかかった際に「痔だから」と自己判断しがちですが、ポリープや悪いものがある可能性も説明し、検査を受けるようお話ししています。若い方で生理の時期と検査日が重なることを気にされる方もいるので、生理前の緊張や腹痛が強い場合は検査日をずらすことも可能です。また、検査中に生理になってしまった場合でも、直前までナプキンを当てるなどの配慮もしています。 大腸の検査では、やはり「お尻を出して検査するのは嫌だ」という方もいらっしゃいますが、当院では配慮した検査を行っています。診察時も緊張を和らげられるよう、少しお話しながら対応するよう心がけています。
- 下嶋先生の仰る通りだと思います。当院では、女性医師の下嶋先生が専門性高く診察・検査を行っていることをご案内しています。それでも、男性医師を前にして「恥ずかしい」「嫌だ」とはなかなか言えないのが実情かと思います。そのため、事前にスマートフォンやパソコンから問診票を記入していただいており、そこで「女性医師希望」といったご希望を書いていただけます。これにより、面と向かって言いにくいことも、事前に気軽に希望をお伝えできる体制を整えていますので、ご安心して受診いただければと思います。
女性医師を希望される方は多いのでしょうか?
- はい、一定数いらっしゃいます。こちらから面と向かって「女性医師を希望しますか?」と質問するのも難しいですし、患者さまも正直に答えにくいこともあると思いますので、事前にWEB問診でお伺いするようにしています。実際、下嶋先生の予約は事前に全て埋まるほど人気です。
検査時のお着替えスペースや検査着の透け感なども気になるかと思いますが、いかがでしょうか?
- 永田胃腸・消化器医院ではディスポーザブル(使い捨て)の上下分かれたパンツタイプの検査着を使用しており、感染対策もしています。大腸の検査ではお通じで汚れてしまうこともあるので、お手洗いにも行きやすいスペースを用意しており、お着替えは一人ひとり個室でできるよう配慮しています。
- 下嶋先生のご紹介の通り、検査着は膝上くらいまで隠れる丈になっており、露出を少なくしています。検査着の素材も良いものを用意し、個人専用で使えるものです。お着替えスペースも個室の専用更衣室をご用意しています。検査直前や来院後にトイレに行きたくなることもありますので、待合室のトイレのほか、検査室のすぐ横にもトイレを完備しています。 もちろん検査室も検査専用の個室で行いますので、他の方と顔を合わせることはありません。女性医師や女性スタッフが、気になることがないか声かけをさせていただいたり、目線の配慮等行えることは全て行っております。
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検査時の苦痛の軽減について
内視鏡検査は「痛い」「苦しい」というイメージを持つ方も多いと思いますが、貴院ではどのように軽減されていますか?
- 90年代や2000年代前半までは内視鏡検査は我慢して受けるものという認識があり、辛い検査の記憶が強い方からは「二度と受けたくない」という声も少なくありません。 現在では、呼吸状態を観察しながら安全に鎮静剤を使った検査で痛みや緊張を取るよう努めています。痛そう、苦しそうという不安をお持ちの方には、鎮静剤を使った「無痛内視鏡検査」を提供しており、うとうとと眠っている間に検査が終了します。鎮静剤を使うことで痛みが少なくなり、嘔吐反射も出なくなる方が多いため、検査そのものの身体的・精神的な負担が軽くなります。
検査後のアフターケアと継続的なフォローアップ
検査後のアフターケアや説明の流れについて、下嶋先生ご紹介いただけますでしょうか?
- 症状があって検査を受けられ、内視鏡で炎症や潰瘍が見つかった方の場合、その日にお薬を処方することもあります。病理検査のために組織を採取した方には、どのような病気を疑って組織を採取したのかを説明します。 鎮静剤を使用された方は、検査後少しお休みいただき、目が覚めて落ち着いた段階で、撮影した写真(画像)を見ながら説明を行います。病理検査の結果が出たら、改めて説明をさせていただくために次回の外来予約を取って帰っていただきます。 定期的に検査の必要がある方には、次回の検査時期をご案内しています。内視鏡検査は1回で終わる方もいらっしゃいますが、定期的に診た方が良い方も多いので、次回の検査も受けやすいよう配慮しています。
次回の検査はどれくらいの期間で案内されることが多いでしょうか?
- 大腸ポリープが多発していて1回で取りきれない場合は、3ヶ月や半年ごとに検査をすることもあります。切除した組織に悪い細胞が入っていた場合には、半年以内といった短いスパンで診させていただくこともあります。ポリープの数も少なく、1回で全て取れた方の場合は、1年ないし2年程度で診させていただくことが多いです。
1年後や2年後の検査について、患者さんが忘れないような仕組みはありますでしょうか?
- はい、ございます。例えばポリープが1回で取りきれず3ヶ月後に再検査が必要な方の場合、その場で予約をして説明用紙や予約の詳細をお渡しするので問題ありません。しかし、ポリープが全て取れたけれど、将来がんになる可能性のあるタイプだった方やポリープの数が多かった方の場合は、1年後に検査を受けてくださいという案内のお知らせのお手紙をお送りしています。実際に最近も、そのお手紙が届いたことで予約される患者様が多くいらっしゃいます。患者様が時期を逃さないよう、忘れないように配慮しています。
検査はその日だけでなく、1年後、2年後まで見据えて患者様にご対応いただけているのですね。
患者様へのメッセージ
最後に、これから内視鏡検査を受けるかどうか迷っている患者さんに向けて、お二方からメッセージをお願いします。
- はい。女性患者さまに限った話ではありませんが、恥ずかしいとか怖いと感じるのは、全く特別なことではなく、当たり前の感情だと思います。恥ずかしいという気持ちがあれば、女性医師を指名することも可能です。怖いと感じることがあれば、眠っているうちに検査する無痛の内視鏡検査も可能です。 当院では、患者様の心に寄り添った内視鏡検査を心がけています。下嶋先生をはじめ、他の医師、スタッフ一同が、女性の方にでも安心して受けていただけるような体制に取り組んでいます。 日々の体調やお腹の調子で不安を抱えられたら、必ずしも検査が必要となるとは限りません。まずは心配なことについてご相談だけでも、お気軽にご来院いただければと思っています。
- 若い女性の方だと、やはり緊張が強かったり、すごく不安でいらっしゃる方も多いのですが、実際に検査を受けられて「来てよかった」とおっしゃってくださる方も少なくありません。ポリープが見つかって取ることができたり、潰瘍性大腸炎など、若い方に多い積極的に治療した方が良い病気が分かる方もいらっしゃいます。 少し勇気がいることだったと思いますが、「ちゃんと受けて良かったわ」と帰ってくださる方もいらっしゃいますので、不安なことがあれば一人で悩まず、気軽に相談していただいて、検査や治療につなげていければと考えています。
